幽霊ちゃんのひとりごとマシンガン

好きな曲への気持ちを爆裂個人解釈でいっぱいしゃべる

僕だけに向けて笑って 僕だけに涙流して

 

貴方だけを壊して飾ってみたい/chanty

 

 chantyはいつかのリトルハーツツアーで初めて見て、それまでは存在だけなんとなく知っていたバンドだった。とくに見たかったというわけでもなく、対盤だったからなんとなく見ようかなというくらいだったのだけど。「あなただけを壊して飾ってみたい」を初めて目の前で聴いてその迫力と歌のうまさにびっくりしたことをずっと覚えてて。「僕だけに向けて笑って 僕だけに涙流して」という歌詞がすごく好きで心に残った記憶がある。

その後の芥さんの「必死に歌ったから顔がかっこよくなかったかも」(ニュアンスなので文は絶対違います)というツイートを見てより心を掴まれて。

後にゆっくりあなただけを〜を聴いてみて、やっぱりなんて悲しい曲なんだ…と胸がいっぱいになった。

PVの妄想の暴力シーンと演奏シーンとのテンションの差も気になるけど、この「妄想の暴力シーン」の「妄想」というところがこの曲の一番悲しい部分だと私は思っていて、最後の手前までは「あなただけを壊して飾ってみたい」「僕だけに涙流して」「ずっと見てるから」と簡単に言ってしまえばヤンデレに見える歌詞が続くけど、「夢の途中でひとりぼっち 置いていかないで」で終わるの、あまりにも突然夢が覚めた悲しい終わりがすぎるというか…。それまでの妄想の中での強気というか、優位な立場の発言にも見えた物がそこで一気に全て逆になって。

僕だけに向けて笑って、の後の「ずっと見てるから」が「ずっと見ててね」になるところで、その考えが表裏一体だったことがわかる。(インタビューで芥さんが「独占欲というより、支配されたかったり、自分をそこに置いてほしいだけ」と語っていました)

しかも、あなただけを壊して飾って「みたい」、であってするとは言ってない。できないし、しないという事だと思うと、実は全然猟奇的とかではなくて、日常的というか、普通の感覚の曲なんだなあと思った。そういう暗い妄想をしてみるけど、現実は全然そうじゃなくて、というような。

そして他にもいろんな曲を聴いてみて、chantyとはそもそもそういうバンドなのかもしれないと思った。精神の中では色んなことが起こって切羽詰まって取り乱しているけど、現実では特に何も起こさないような、一人の中だけで完結している精神的な曲が多いような気がした。

なんというか…人間で例えると、すごく落ち込んでる時に人に話しかけられても、そのことを話さずに笑顔で聞き返すような。chantyは苦しめの日常系、という印象になりました。明るい色の衣装で、曲はアップテンポの曲が多いイメージだったけど、やっぱり聴いてみないとどんな曲をやってるかなんかいくらヴィジュアル系といえども分からないなと改めて思う。

他にも最低の「生命線を越えていけ」とか、ダイアリーの歌詞とか好きだなあ。歌詞の苦しさと曲の爽やかな雰囲気のバランスが好き。最低のPVもすごい。車で心中しようとするカップルの背後に幽霊か神様みたいな位置で現れる芥さんの図、異様すぎる。異様なのに、なんでかナチュラル。

最近正体不明をめちゃくちゃ聴いていて、わたしって自分で思ってるよりchanty好きなんじゃない?という気持ちでいっぱいになって話したくなってしまった!次は正体不明の話もしたい。

chantyは昔から追っているというわけでもなく、とにかく聴いたら感想を話したくなっただけなので、もし誰かがこれを読んでしまったら鵜呑みにしないでください。個人の感想です。感想はたくさん話したいけど、自信がないから不安になる。